トルコ・イスタンブールにおける絨毯トラブルの原因と対策

f:id:zeitrium-editor:20190313003858j:plain — イスタンブールにて

イスタンブールでのトラブル

トルコの絨毯に関するトラブルについて聞いたことはないだろうか？イスタンブールで絨毯を買わないかと持ちかけられ、大切な旅行の時間を浪費してしまう。或いは、高い絨毯を買ってしまって後悔するとかいうものだ。そこで、ここではイスタンブールにおける絨毯の商売の実態とトラブルを防止する方法について書いてみようと思う。以下に説明する内容は実際にイスタンブールに行った時、トルコ人から聞いた話をベースにしていますので信用出来る話だと思います。

トルコ絨毯の販売戦略

トルコの本物の絨毯は手作りで半年程度かけて作られる一種の芸術品というか工芸品ですから値段が高くなるのも頷けます。日本で言えば着物のように作るのに手間が掛かるものだと思えば良いと思います。絹製の絨毯もあります。

このように高い価格の商品が沢山売れるでしょうか？売れませんようね。例えば、日本に来た海外からの観光客が着物に興味があるからと言って、本物の100万円とか200万円もする着物を買わないのと同じです。トルコの人も絨毯を買うでしょうか？買っても良いものを一生に一、二枚だけ買う程度ではないでしょうか。そこで、トルコの絨毯商は海外からの観光客に買ってもらおうとします。トルコでテロが起こってから観光客が激減し、多くの絨毯商が潰れたようです。それだけ観光客に依存しているということなのでしょう。

絨毯商の作戦

一つの絨毯商はわずかの正式な従業員のみ雇い、その他に10人程度のバイトを雇っています。当然、バイトには海外の観光客と話が出来るトルコ語以外の言葉が喋れる人を雇います。彼らは観光スポットで観光客に声を掛けて、観光客を助けたりして仲良くなって、最終的に絨毯屋に連れていける環境を作ります。このバイトの仕事は観光客を絨毯屋に連れてくることだけです。バイトの仕事はこれだけです。

あとは絨毯商の仕事です。つまり、どうやって買わせるかです。ここで大事なことは、絨毯屋は基本的には強引に絨毯を売るのでは無い、つまり、押し売りでは無いということです。買って貰えるように仕向けるだけです。彼らにも勿論生活がありますから、何とか買ってもらいたいわけです。

バイトの手取り

絨毯の原価は売値の半分です。もしバイトが連れて来た観光客が絨毯を買ってくれれば、バイトには売上の10％が入ります。10万円の絨毯が売れれば、バイトの取り分は1万円です。バイトの人も生活がありますから何とか絨毯屋に連れて行こうとします。あなたを騙そうとしているわけでは無いのです。一生懸命バイトをしているだけです。

騙された？

ネット上には騙された人の話が沢山紹介されています。しかし、冷静に考えてみてください。騙されたと言えるケースもありますが、最終的に絨毯を買うと言ったのはその方たち自身では無いでしょうか？高い絨毯を買わされたと言う方もおられるようですが、もともとトルコ絨毯は本来高いものなのです。トルコで絨毯の話が出たら、高価な着物の話をされているのと同じと思ってください。価値の分からない絨毯を相手の言い値で買った責任の一端は買った人にもあると言う事です。これは本当に大事な事ですが、買いたくなければ買わないとはっきり言うべきです。この辺りが、日本人の苦手なところなんでしょうね。

対策

上記の実態を踏まえた対策ですが、観光地には絨毯商✖️10人程度のバイトが常時居ると言う事です。バイトを雇っている絨毯商が一体いくつ有るのかわかりませんが、仮に５つの絨毯商が有れば、50人のバイトが観光客が訪れそうな観光スポットを常にうろちょろしていると言う事です。これで、あなたもこの絨毯トラブルが何故沢山報告されているか、その理由がお分かりになったと思います。そうです。観光スポットであなたに声を掛けてくるトルコ人は「全員が絨毯屋のバイト」と思って間違いないのです。更に、用心すれば、観光地以外でも声を掛けてくるトルコ人は「全員が絨毯屋のバイト」と考えておいて間違いないのです。最後に対策ですが、声を掛けてくるトルコ人は完全に無視する事です。相手どころか、返事もしてはいけません。相手の話を聞いたり、こちらから観光に関して質問したりもしてはいけません。日本人は苦手でしょうが、完全無視を徹底してください。この事を徹底出来れば、あなたのトルコ、イスタンブール観光は楽しいものとなるでしょう。ただし、貴重品の管理は他の海外の国と同様に細心の注意を払うことは言うまでもありません。