ウクライナ旅行[107] ウクライナ国内の電車旅行 路線・予約方法について
今後、ウクライナ国内を鉄道で旅行して見たいと思っているので、ウクライナ国内の鉄道について調べました。皆さんの参考にもなればと思い、記事として纏めました。
ウクライナの地域
分類1
下記の地図はWikipedia記載の最も簡単なタイプのウクライナの地域分割を示しています。西部地域、中央地域、東部地域、南部地域の四つです。首都のキエフは中央部(center)にあります。
注意事項
東部(East)地域はロシアとの紛争地域(最近、停戦協定が結ばれました)のため、行くのは絶対に避けましょう。あと、南部(South)の先端のクリミア地方はロシアが実行支配している地域ですので、こちらも行くのは絶対に避けましょう。オデッサはクリミアに近いですが、行っても特に問題はありません。
分類2
別の分類ではリヴィウ(Lviv:ルヴィフ)地域、南西部地域、南部地域、オデッサ地域、ドニプロ(ドニプロぺトロフスク)地域、ドネツク地域の6地域に分けられます。首都キエフ市は上記の地図では中央地域、下記の分類では南西部地域にあります。
ウクライナの鉄道網
こちらの地図はウクライナの鉄道網を示しています。主要都市を結ぶ主要路線は青い色で示されています。地図にはウクライナの主要都市が描かれています。キエフ市は下記地図の中央上部にやや大きな字で書かれています。
キエフの地理的な位置、キエフがいくつかの地域に分けられることを念頭に置いて、キエフの鉄道についての下記説明を読まれると分かりやすいと思います。 キエフからの列車にはウクライナ国内の主要駅Chernivitsy, Dnipropetrovsk, Ivano-Frankivsk, Kharkov, Lugansk, Lviv, Mariupol, Nikolaev, Odessa, Poltava, Sumy, Zaphorizhiaなどで乗車できます。
ウクライナの列車分類
インターシティ・トレイン(都市間鉄道)
ウクライナ政府は現代製の高速列車を購入し、主要路線で運行しています。この列車には一等、二等車があります。寝台車はありません。各車両には荷物置き場とトイレがあります。この列車は以下の限られた都市間のみで運行されています。
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Kyiv(Київ) - Lviv (Львів)
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Kyiv(Київ) - Kharkov
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Kyiv(Київ) - Zaporizhja
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Kyiv(Київ) - Ternopil
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Kyiv(Київ) - Kryvyy Rih
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Kyiv(Київ) - Truskavetsj
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Kyiv(Київ) - Odesa
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Kyiv(Київ) - Krasnoarmijsk
上記の都市の位置は下記の地図を参考にして下さい。
急行・夜行列車
各地域の主要都市間を夜間に移動する際に便利な列車です。利用客数が多いシーズンには一等車が設けられますが、それ以外の時期には一等車はなく、二等、三等車のみとなります。各自で食事と(無くなってしまった場合に備えて)トイレットペーパーを準備されることをお勧めします。
旅客列車
非常に多くの停車駅がある非常に低速の列車です。長距離のルートでは最大30時間程度必要になります。
客車分類
ウクライナにおける列車の分類は欧州の基準とは異なります。ウクライナに5種類の客車があります。
- スリーピング・ワゴン (спальний)
- クーペ (купе)
- プラッツカート(плацкарта)
- コモン・ワゴン
- シット・アップ
一般的には客車は1等車〜4等車に分類されます。
1. 一等寝台
ウクライナで最も良い客車です。
- 各車両には9個の客室があり、各客室には2つの寝台があります。
- 低い方の寝台の下には荷物置き場があり1、2個の中くらいのサイズのバッグを入れることが出来ます。
- 追加の荷物置き場はドア上部に用意されています。
- 各客室にはロック可能なドアがついており、内側から鍵を掛けられます。
一等車には二つのタイプがあります。
- 同じ高さに二つの寝台があるタイプ
- 上下に二つのベッドがあれ、洗面台があります。
各車両は洗面台つきのトイレがあります。一等車の車両は夏季にはエアコンにより空調されます。エアコンは列車が走行中のみのため、出発間際や停車中はやや暑くなります。冬場には暖房されます。各車両には客室乗務員1、2名がいます。
2. 二等寝台
二等車の仕様は列車により異なります。各列車は9つの車両からなり、各車両には9つの客室があり、各客室には4つのベッドがあります(上下二段が二つ)。荷物置き場は客室のドア上部にもあります。小さな折りたたみ式のテーブルが窓際にあります。各客室にはドアがあり、内側から鍵をかけられます。二等の急行列車は基本的にエアコン車ですが、全てではありません。各車両には2つの洗面台つきのトイレがあります。各車両には1、2名の客室乗務員がつきます。
3. 三等寝台
各車両には54個の寝台があり、その内36個は通常タイプで、18は通路側にあります。寝台は二段で、客室にはドアは有りません。低い方の寝台下部には荷物を入れる箱があります。各車両には洗面台つきのトイレがあります。各車両には1、2名の客室乗務員がつきます。クオリティが低い三等車ですが、ウクライナでは非常に人気があります。理由は値段が安いことです。
4. 郊外列車
電車とディーゼル車の2種類あり、地域内、あるいは隣接する二つの地域間で運行されています。列車の質は非常に悪く、速度も極めて遅く、非常に混雑します。夏季は寝台はありません。短距離の旅行でも6時間かかり、車の2倍の時間がかかります。
ルート検索
利用できる列車が有るか確認する場合は下記のサイトで調べるのが良いと思います。
Карта пасажиропотоків міжміських поїздів
本サイトでは地図上の都市をクリックするとその都市発着の列車の有無が確認できます。例えばキエフ市をクリックすると下記の様な図が表示されます。ここに表示される都市へは列車が有るということが確認できます。
キエフ発着の列車
更に、ページ内のボタンを押すと発着駅名を確認することができます。
ルヴィフ(リヴィウ)発着の列車
リヴィウ発着の列車は以下の様に表示されました。
オデッサ発着の列車
こちらはオデッサ発着の列車の概要です。
ドネツク発着の列車
こちらはドネツク発着のルートを示しています。キエフ、オデッサに比べてかなり行き先が限られますね。
チケット購入
上記のサイトで列車が有ることが確認できたら、次はチケット購入です。下記サイトにアクセスします。今回、購入手続きを練習としてやって見たいと思います。
このページの”From”の欄に”Kyiv”、”To”の欄に”Lviv”と入れ、日付に12.16.2019と入れて、時間には07:00を入れ、”Search for trains 12.16.2019”ボタンを押して検索してみます。そうすると列車名が表示されます。何と、最上部に表示されている列車はKiev -Lviv間の所要時間が10時間41分もかかることが分かります。出発は夕方5時40分、到着は翌日の朝4時21分です。
この列車を選択すると、下記画面となります。右側に L 9, C 4と表示されています。Lタイプの空席9、Cタイプが4席です。Lタイプは一等寝台、Cは二等寝台です。
Lタイプを選んでみると、下記の座席配置が表示されます。確かに9席空いています。
それでは一番右端を選んでみます。
表示が赤くなり、料金が表示されました。755.25UAH(3020円)です。安いです。しかし、乗り換え駅以降は1等寝台に空席がありません。C(二等)、B(三等)のみです。
仕様がないのでCクラスを選んでみました。一つしか空いてません。下側のベットです。これを選びます。
総額が表示されました。942.54UAH(3770円)です。
右下の”Order tickets”を押して見ましょう。すると乗客の名前の入力画面となります。名前はチケット発券後は変更出来ないと書かれています。名前を入力ミスすると列車に乗れませんね。右側の方にベッドリネン1、飲み物2と書かれています。飲み物はお茶、コーヒー、ミネラルウォータ(500ml)から2つ選択になっています。
名前を記入し、"Add to Cart"ボタンを押します。後は支払いボタン”Pay”を押せば終了です。支払いはクレジットカード(VISA, Maste rCard)、PayPal等が使えます。
"Pay"ボタンを押すと、メールアドレスの入力を求められます。チケット送付のためです。また、未登録ユーザーはサインアップが必要な様です。そこで、”login”ボタンを押すと、下記画面が表示されます。
この画面でメールアドレスとパスワードを入れて”Sign up”ボタンを押して登録しましょう。今回は実際に購入するわけにはではありませんので、残念ながら、この後の処理は省略します。本サイトは携帯版も用意されているので、旅行先で予約するのも簡単そうです。
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