中国・武漢新型コロナウイルス(2020.2.5) 診断薬・治療薬開発の動き
化学工業日報(2020年1月30日)が中国武漢肺炎(新型コロナウイルス肺炎)に対する製薬メーカー、診断薬メーカーの動きを報じています。記事が数日前なので、現時点では新たな動きが出ているかも知れませんが、色々な動きがあるというのは安心材料ではあります。
参考図 SARSコロナウイルスの構造
ウイルス本体はRNA、Sはスパイクと呼ばれる突起、Mは膜、Eは外殻プロテイン、RNAはプロテイン単量体で保護されている。
CREDIT: KATHARINE SUTLIFF, Science 30 May 2003: Vol. 300, Issue 5624, pp. 1377-1378 (DOI: 10.1126/science.1086418)
要旨は以下の通りです。
治療薬の動き
- 2002年から2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)を先例として、ウイルスの複製を抑える治療薬が検討され、アッヴィの抗HIV薬、エボラ出血熱向けに採用された富士フィルムの抗インフルエンザ薬「アビガン」にも注目が集まっている。
- 治療薬、ワクチンの開発ではアッヴィの他、米国立衛生研究所(NIH)、米ジョンソン・エンド・ジョンソンの参画が伝えられている。
- ノルウェーの官民連携組織である感染症流行対策イノベーション(CEPI)は米国モデルナ社、米国立アレルギー感染症研究所、オーストラリア・クイーンズランド大学等と協定を結んで、ワクチン開発、臨床試験を支援する。
- 中国科学院武漢ウイルス研究所などは米国ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」、『リトナビル」、及び抗マラリア薬「クロロキン」の効果を確認したと発表。
国内の動き
- 日本の製薬会社は未だ治療薬、ワクチンの開発には加わっていないと推定される。
- 国立感染症研究所は検査キットを各地の衛生研究所に配布し、早期に検査できる様にした。
- 診断薬メーカーは遺伝子検査向けの試薬の供給で協力を始めている。