台湾報道 武漢肺炎(2020.1.30) 中国国家重点実験室の「最速1ヶ月でワクチン生産可能」発言に香港大教授が異議

台湾のheho.comが1月30日に武漢新型コロナウイルスのワクチン開発に関する記事を配信しましたので、翻訳して概要をお知らせします。

 

記事タイトル: 
武漢肺炎/中國國家重點實驗室:我們最快1個月就能產出疫苗!

武漢肺炎/中国国家重点実験室:我々は最速1ヶ月でワクチンを生産可能!

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記事の要旨 

2019年の新しいコロナウイルス武漢肺炎)の感染は拡大を続けている。1月30日の朝、中国の国家衛生健康委員会は武漢肺炎に感染した人の数は、中国のチベットで最初に確認された症例を含め、7,736人で、170人の死者になったと指摘し、中国全土が陥落した。武漢肺炎の最も恐ろしいところは予防薬やワクチンがないため、自分で気が付かないうちに感染している事です。

国家衛生健康委員会の専門家、李蘭娟は1月28日、CCTVとのインタビューで杭州の国家重点実験室で3つの新型コロナウイルス株を分離したと述べました。これは、再培養する事でワクチンに変換できる種子株に相当します。

中国国家衛生健康委員会・李蘭娟の発言

  • ワクチンの種子株を培養する事でワクチン株に変えられる可能性があり、ワクチン株を経由してワクチンを製造できます。
  • しかし、ワクチン株を実際に入手するのには更に1ヶ月かかり、検査と試験に少なくとも1ヶ月半かかります。
  • ワクチンの調製は、最初にウイルスを分離し、次にワクチンの種子株を分離し、次にこの種子株を培養するいくつかの工程からなります。
  • ワクチン株になるまで大体1か月かかり、引き続き、検査と国の鑑定と検証に少なくとも半月かかリます。
  • 従って、全部を合わせてワクチンは最速一ヶ月半で出来上がります。

香港大学微生物学教授・袁國勇の発言

しかし、この「1か月でワクチンを作る」という方針について、コロナウイルス株を分離した経験を持つ香港大学微生物学教授である袁國勇は以下のように主張しています。

  • この方針は他の問題を引き起こす可能性があります。このように短時間で生産されたワクチンは「不活化ワクチン」であり、人々にもっと深刻な病気を引き起こす可能性があります。
  • 弱毒化ワクチンはまだ生きていますが、病原因子を取り除いたウイルスです。 「不活化」ワクチンは殺されて壊れたウイルスですが、ウイルスのタンパク質を保持しています。
  • 不活化ワクチンは殺されたウイルスで作られますが、人体は特に不活化ワクチンに対し免疫反応を引き起こす傾向があります。コロナウイルスは過剰な免疫反応を引き起こす可能性が高いウイルスです。
  • たとえ1万歩譲ったとしても開発したワクチンを動物実験や人間の臨床試験を通過させねばならず、完成まで少なくとも1年かかります。それ以上速くなることはありません。速さよりも安全が更に重要です。

所見

オーストラリアで武漢コロナウイルス の培養に成功したとのニュースが流れていました。ウイルスの培養ができれば、世界中でワクチン開発が加速し、ワクチンの製造期間短縮に繋がる可能性が出てくると思います。しかし、上記の記事を見ると安全性の観点から中国の方針には疑問符がつくと言う事だと思います。

 

 

 

source: https://heho.com.tw/archives/65911